日本人に患者数の多い胃がん。当サイトでは、胃がんについての治療や原因について解説をしています。がんと聞くと、それだけで大きなショックを受ける病気でしょう。しかし、健康診断や人間ドックなどで初期の段階でみつけることができれば、決して死と直結するものではありません。日本人に多いがんだからこそ、胃がんに対する誤ったイメージを払拭するためにも、胃がんの症状や原因、治療方法などを正確に把握しておきましょう。

「がん」の基礎知識

がんとは何か

がんの原因とされるがん細胞は、ウイルスのように体外から入ってきた細胞ではありません。元々、人体を構成している細胞の一部が、突然の変異を遂げてがん細胞となります。細胞は成長分裂を経て増殖する働きを持っています。同じようにがん細胞に変異した細胞も増殖を行ないます。正常な働きをしない細胞の増殖により、体から栄養素が消費されます。しかも、このがん細胞は周囲の正常な細胞からも栄養を奪い、また正常な細胞を破壊します。

正常な細胞とがん細胞

次第に身体が弱り、正常な細胞の活動が阻害されることで症状が深刻化します。このように、がん細胞が増殖していくことを「浸潤」と言います。この「浸潤」が進むと、やがてリンパの流れを利用してがん細胞が別の組織や細胞に広がる「転移」が始まります。統計から見ると、男性の方が女性よりもがんになりやすい傾向があります。最新の統計2015年罹患予測数でもがん罹患者数全体の57%が男性です。

(引用元:国立がん研究センター調査情報罹患者予測データ)

死亡率の高いがんランキング~男女合算~

がんは、40代から90代までの日本人の死亡原因1位になっています。疾患部位ごとの全体的な死亡率のランキングは、以下の通りになっています。

  • 肺や気管支のがん
  • 胃がん
  • 大腸がん、結腸がん
  • すい臓がん
  • 肝臓がん

死亡率ランキング

男女ともに、1位が肺や気管支にできるがん、続けて胃や消化器官に発生するがんでの死亡率が高い結果です。2006年には、がん死亡者を減らすための取り組みとして、がん対策基本法が制定されました。

40代以上から胃がんになりやすい!

40代以上の死亡原因として2位を占めるがん。その中でも高い罹患率・死亡率を持つのが、胃がんです。喫煙や、長年の食生活の積み重ねが原因で発症するケースが多くあります。また、50代以上のがん患者の多くは、ヘリコバクター・ピロリ菌を保菌しています。ピロリ菌は胃粘膜に住み着き、胃を傷付け、胃の動きを弱らせる働きをします。この菌を保菌していると胃がんを含む、胃の様々な疾患にかかる危険性が高くなります。

円グラフ

胃がんになる原因は生活習慣の乱れ

中高年の発がん原因となりやすいのが、生活習慣の問題です。その中でも、喫煙習慣と食生活が複数のがんを誘発しやすい環境を作っています。

タバコを吸う男性

タバコの吸い過ぎ

喉や気管を通って肺に煙を吸い込むため、タバコによる発がんリスクは以前から警告されていました。◯がん死因の1位である気管支(咽頭や喉頭)のがん、肺がんはもちろんのこと、子宮頸がんや胃がんも喫煙によるリスク上昇が確認されています。とくに気管支や肺がんにおいては、その原因の60%以上が喫煙であり、非喫煙者と比べた場合の死亡リスクは30倍と影響が顕著に出るとされています。同様に、胃がんにおいては原因の25%が喫煙であり、喫煙者の死亡リスクは非喫煙者の1.5倍となっています。

出典:国立がんセンター

インスタント食品

塩分の過剰摂取

塩分の過剰摂取も、胃がんリスクを高めます。塩分過多な日本人の食生活は、ピロリ菌の持続感染を助ける環境として最適です。胃を荒らすピロリ菌の過ごしやすい場所を作ってしまうため、塩分過多の人は減塩に取り組んでいる人と比べて、胃がんリスクが2倍も高くなります。塩分の過剰摂取は循環器の異常を起こすことでも知られています。心筋梗塞や脳梗塞などの原因にもなるので、塩分控えめを意識した食生活に努めることが重要です。

食事やお酒など、飲食が健康を左右します。乱れた食生活と喫煙が、胃がん発症や症状の進行を加速させる促進剤になるため、生活習慣の見直しを行なうことが重要です。

ステージ別の胃がん症状

胃がんなどの、がんにおける医療用語で病期を表すのがステージです。ステージは、がんの進行や浸潤レベルを進行度ごとに区切っている目安です。ステージによって、治療内容や生存率などがあるため、ステージを把握しておくと説明や治療を受けやすいでしょう。ある程度胃の中で広がった胃がんは、次に胃の内側の粘膜から胃の壁の中を外側に向かって深く浸潤していきます。浸潤が進んでおらず、まだがんが粘膜の中に留まっている段階であれば、ステージ1の1A期・1B期の早期がんとなります。

症状を見逃してはいけない

胃がんではステージごとで症状が異なります。症状を見逃さず、気になることがあれば医療機関を受診しましょう。

ステージ1の症状は、吐き気や食欲不振、貧血と消化不良によるゲップの過多です。これらの症状が続く場合は、医師に相談すると良いでしょう。胃がん検診を受け、早期がんの段階で発見できれば病巣の排除手術に移ることができます。

胃もたれが続いたり、食べ物の飲み込みが上手くできなくなったりします。そのため食欲が減るので、体重減少が起きます。免疫力が低下するので、進行が早くなるステージです。進行がんと呼ばれています。胃の縮小手術などを行なうことになります。

リンパ節へ転移の恐れがあるステージです。胃の外側にまで進行し、他の臓器への転移が懸念されます。すでに転移が始まっている場合もあります。腹部のしこり、動悸、息切れなどが起きるため早急な手術での患部切除が必要になります。

ステージの最終段階です。すでに様々な部位やリンパによるがん細胞の転移が起きています。腹水やひどい胃痛を患い、食欲減退と貧血を起こします。転移しているため、手術治療ができず、抗がん剤での対処療法になります。

リンパ節への転移

苦しむ男性

ステージが進行し、粘膜よりも深くにある固有筋層まで浸潤している場合、周辺のリンパ節にがん細胞が転移する恐れがあります。リンパ節への転移とは、胃から離れた場所にがん細胞が侵食している恐れがあるということです。リンパは動脈と同じように全身を巡ります。転移の状態によっては、胃のリンパ節や一部の切除手術で対応することもあります。離れた場所に複数転移が見られる場合は、さらに広がらないよう抗がん剤を併用して対処をする場合もあります。